えつこ内科クリニック 院長:秋田悦子 先生

(取材日:2025年4月27日)

【大阪府豊中市】内科・糖尿病内科 
えつこ内科クリニック 


「花」が持つ心理的効果には、ストレス軽減やリラックス効果、気分の向上、幸福感の増加、そして孤独感の軽減などが挙げられるそうだ。 また、「笑顔」が人に与える心理的効果も非常に大きいそうで、気持ちが前向きになったり、免疫力が高まることもあるとされていて、自分が笑うことでも、他人の笑顔を見ることでも、脳や心にポジティブな影響を与えると言われている。

阪急宝塚線「豊中駅」から徒歩3分の場所にある、えつこ内科クリニックは、この、「花」と「笑顔」が持つ心理的効果を、院内中に充満させたようなクリニックだと言える。花と音符をモチーフにしたロゴマークが印象的で、院内には素敵な花が多く飾られ、そこに通う患者を優しく癒してくれる。院長の秋田悦子先生は明るく気さくで、よく笑うキャラクターに心を救われ、話をしているだけで元気をもらえるからだ。

医療カルチャー発信メディア「エムアンド」では今回、院長の秋田先生が専門として挙げる糖尿病についてや、生活習慣病、そしてそれに関連が深い睡眠時無呼吸症候群などについて取材。糖尿病は特に、発症すると付き合いが長くなる病気だが、秋田先生のような医師が、地域の身近な存在として病気に寄り添ってくれるなら、患者にとってこれほど心強いことはないだろう。

病気を診る前に、患者さんの背景から見ていくことが大切


ーー秋田先生は、なぜ医師になろうと思われたのですか。


秋田先生:子供の頃に、テレビのドキュメンタリー番組で、病気と闘っている子供たちや、難病で苦しんでいる人たち、そしてその病気の治療に奮闘する先生や、病気の研究をしている人たちを観ては、毎回感動して泣き(笑)、私も病気で苦しむ人たちの力になれる仕事をしたいという思いがありました。小学生ぐらいのときは、なんとなくそれがお医者さんなんだろうなと思っていましたが、中学・高校時代にその思いが強いものとして固まっていった感じです。

ーー医師としての進路を決めていく際、診療科の選択肢は多い中で、内科の道に進まれたのはどうしてですか。

秋田先生:学生時代は、全科を実習で回っていくんですけど、行く先々の診療科に興味を持って、外科に行ったら、手術をしてその病巣を取り除いて病気を治すことができる外科医ってすごい!って思うし、精神科に行けば、いろんな心理的背景がある患者さんに寄り添っていきたい!ってなっていたんですけど、その中でもやはり内科が、私には一番合っているかなと思いました。患者さんの治療に早い段階から介入して、病気を悪化させないように通院してもらい、その時々の生活スタイルのお話などを聞きながら、血液検査のデータをみて、お薬を工夫したり、アドバイスしたりすることで、患者さんの病気が重症化しなくて済む。そうやって患者さんと長くお付き合いしていくというのが、私には合っているなと思っています。

ーー秋田先生はすごくお話しやすいタイプですし、患者さんも通院が苦にならないのでは(笑)。


秋田先生:患者さんとお話するのが大好きですからね。「悦子の部屋」って言われてましたもん(笑)。

ーー全ての患者さんが、最初から本音を打ち明けてくれるわけではないと思うのですが、先生がお話しやすいと、患者としては安心できますね。

秋田先生:ご自分の状況を上手にお話できて、把握もしていらっしゃる患者さんばかりではないですからね。どうしていいかわからない、こんなこと話したら怒られそう、こういう生活習慣が良くないのはわかっているけど、でも自分ではうまく改善ができない・・・、いろんな心境や状況の患者さんがいらっしゃいますから、そこでいきなり生活スタイルを強制的に変えるような指導をするというよりは、この部分は今まで通りでいいけど、その代わりこういうこともしませんか?というふうに少しずつ提案をしていくことで、だんだん心を開いて、本音を話してくれるようになってもらえます。

ーー頭ごなしに言われてしまうと、通いたくなくなってしまいますもんね(笑)。

秋田先生:例えば暴飲暴食をするにも、その背景はあって、本当にグルメでおいしいものを食べたいからというよりも、何かイヤなことがあったから、そのはけ口として食べてしまうということもよくあります。そういう背景を話してもらえた方が、こちらも治療計画を立てやすいですから、そこを知るために、お家のことや生活のこと、お仕事の話などをしっかり聞くように心がけています。お子さんの受験の話とか、嫁姑の話とかね(笑)。病気を診る前に、患者さんの背景から見ていくことが大切かなと考えます。ただ、私だけでは時間が足りない場合もあるので、看護師や栄養士、受付スタッフにも話を聞いてもらったり。うちはスタッフもみんなお話好きなんですよ(笑)。診察中に私には言いにくいことがあっても、採血中に看護師に話してくれることもありますしね。

「よくぞ、この早さでご来院くださった!」と言いたいです(笑)


ーー糖尿病は、長い付き合いが必要な病気だと思うのですが、その治療の中で、「数値が悪いと先生に怒られるかもしれないから節制しよう」とか、逆に「先生が褒めてくれるかもしれないから、良い結果を出すために頑張ろう」と思える存在がいるかいないかで、病気の改善率もすごく変わっていきますね。


秋田先生:患者さんのモチベーションや、病気に対しての認識、そういったものをアシストするだけですごく良くなることが多いので、非常に大事ですね。そしてそれは糖尿病に限らず、生活習慣病全般にも言えることです。病気に対しての認識というところでいうと、まず私たちがしっかりと病気を疑って、検査・診断をして、その結果、何らかの病気があればそれを患者さんにきちんとお伝えをして、そこで初めて認識していただけるわけですから、ちょっと体調が悪いけど、経過観察でもいいんじゃないかなぁという段階でも、まずは受診をしていただきたいですね。

ーーその段階からでも先生に相談することが大切なんですね。

秋田先生:当クリニックは、比較的そういった患者さんが多いと思います。一番のハードルは、「最初にクリニックに行く」というところだと思いますが、「糖尿病疑い」の段階で来院された患者さんには、「よくぞ、この早さでご来院くださった!」と言いたいです(笑)。そこできちんと検査をして、かくれ糖尿病の状態なのか、自覚症状が出る一歩手前なのか、患者さんの状態を把握して、糖尿病が悪化していかないように、早期に血糖コントロールし、食事指導や運動指導でフォローしていきたいですね。

ーー糖尿病は、患者さんがご自身のみで管理していくことが難しい病気でしょうから、先生のような存在は患者さんにとって心強いですね。


秋田先生:我流で節制や運動をして数値が改善され、通院しなくて良くなるケースもありますが、例えば、極端な糖質制限によって、筋肉だけが落ちてしまって、その結果、転倒や骨折をしやすくなるという、身体的フレイルを招いたり、ご飯も食べずに激しい運動をして痩せて、それで血糖値が下がったとしても、それが心身ともに健やかかというとそうではないですし、持続可能な方法ではないですからね。血糖コントロール、食事内容、運動量等は、患者さんによって異なりますから、そこは私たちがしっかりとサポートしていきたいですね。

睡眠時無呼吸症候群の発見も、生活習慣病の治療の一環


ーー生活習慣病は、糖尿病以外では、 高血圧症や脂質異常症などが挙げられますが、心不全や不整脈も、生活習慣病に関連してきますよね。


秋田先生:そうですね、高血圧が心臓に負荷をかけ、心疾患を招くこともありますからね。他にも、糖尿病から腎不全になったり、脂肪肝が原因で肝臓の数値が悪くなることもあります。私の専門は、糖尿病内科ではありますが、もちろん糖尿病がない場合でも、循環器疾患や消化器疾患など、内科的な病気を全般的に診させていただきます。

ーーまた、生活習慣病との関連が深い、睡眠時無呼吸症候群の治療にも注力されているそうですね。

秋田先生:睡眠時無呼吸の方は、高血圧症や肥満症、糖尿病等のリスクが非常に高まりますから、それを未然に防いでいくという意味でも、睡眠時無呼吸症候群の発見と治療は非常に重要だと考えます。ただ、特にお一人暮らしの方などは、寝ている間に息が止まっているかどうかわからない場合がほとんどですが、簡易検査をしてみると、実は睡眠時無呼吸症候群で、「こんなに息が止まってたらしんどいし、日中もすごく眠かったでしょう?」という方は多いです。これでは、生活の質を落としてしまいますからね。治療とともに、日中の生活が楽になって、それとともに、血圧の数値がすごく良くなることもありますから、生活習慣病の治療の一環でもありますね。

ーー内分泌疾患では、具体的にどういう病気が多いでしょうか。


秋田先生:甲状腺の疾患で、バセドウ病や橋本病が多いです。甲状腺疾患は、ご自身でそれを調べに行く機会は少ないと思います。また甲状腺に限らず、内分泌の疾患は、更年期障害の症状と重なるところもあって、体のだるさ、むくみ、動悸などの症状がありますが、それを「もう歳だから仕方ない」とか、「更年期なのかな」で片付けて我慢してしまう方が多いんです。そこで検査をしてみたら、実は甲状腺の異常が隠れていて、治療をすることで快調になる患者さんもたくさんいらっしゃいます。当クリニックでは、甲状腺エコーも実施していますので、そういった疾患の患者さんもしっかりフォローしていきたいですね。

ーー更年期障害といえば、女性の場合、婦人科に罹るというイメージがありますが、秋田先生に相談することも可能ですか。

秋田先生:はい、可能です。更年期にまつわる症状が見られる時期に、著しいホルモン異常が見られる場合は、婦人科でホルモン補充療法等を受けられることをお勧めしますが、そこまでではない方や、婦人科で「まだ更年期じゃない」と言われたけど、体はすごくしんどいという方には、適切な診察の上で、症状に応じた漢方治療も行っています。

患者さんとのコミュニケーションを通じて、私が生かされている


ーー秋田先生が、患者さんに対して医療を提供し続けていく、その原動力となっているものはなんですか。


秋田先生:やはり、患者さんにとって最良の治療をして、病気の状況を少しでも良くしていくお手伝いをしたいという思いが原動力になっていると思います。そのために今、私は何をしなければいけないかということを常に考え、その結果、病状が改善されれば、この仕事をやっていてよかったなと実感します。

ーー患者さんとお話をするということも、先生自身の生き甲斐となっていそうですね。

秋田先生:まさしくそうだと思います。患者さんとのコミュニケーションを通じて、私が生かされているという感じがします。私は患者さんを「お大事に~」って送り出すけれど、「先生はもっと食べやー!」って言いながら帰られる患者さんもいますしね(笑)。「えっちゃん、風邪ひいたらアカンでー!」って言われることもあります(笑)。そうやって私に元気をくださる患者さん方のために、これからも私のできる限りのことは全てやっていきたいなと思っています。

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プロフィール

秋田 悦子(あきたえつこ)

経歴

1994年3月 国立大阪教育大学附属池田高校 卒業
2001年3月 大阪大学医学部医学科 卒業
2001年4月~ 大阪大学医学部附属病院 内科
2002年6月~ 住友病院 内科
2004年6月~ 大阪大学大学院 内分泌代謝内科
2009年7月~ 豊中若葉会病院 内科
2018年1月~ よどがわ内科クリニック 院長

資格

医学博士(大阪大学大学院医学系研究科 生体制御医学 博士課程修了)

所属学会

日本内科学会
日本糖尿病学会
日本肥満学会
日本内分泌学会

専門

糖尿病をはじめとする内分泌・代謝内科、動脈硬化、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病

私のハマりもの

お花が好きです。母が生け花をやっていたということもあって、生け花やアートフラワーの制作を、よく一緒にやっていました。学生時代は花道教室にも通っていましたし、生活の中に常にお花があるという感じですね。クリニックでは、生花だと花粉の心配があるので、プリザーブドフラワーを飾っています。お花を綺麗だと眺められるような、心にも彩りのある生活を送っていただきたいということもあり、ロゴもお花をモチーフにしました。アレンジフラワーとかブーケを制作している方の動画もよく観ています。お花を見に行くのも好きですね。梅林を見にいったりとか。お花を楽しむと同時に、季節を感じられるというのもいいですね。

クリニック情報

名称えつこ内科クリニック
診療科目内科・糖尿病内科・内分泌代謝内科・生活習慣病外来
所在地〒560-0024 豊中市末広町1丁目6-22 101号
電話番号 06-6858-1230
診療時間 9:00~12:30
15:00~18:00
休診日木曜日・土曜日午後、日曜日、祝日
URL・オフィシャルサイト
https://etsuko-clinic.jp/

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