堺市の形成外科「ななほしクリニック」

(取材日:2025年8月21日)

【大阪府堺市】形成外科 
ななほしクリニック 院長:久米川 真治 先生 


大阪府堺市、南海高野線「初芝駅」前のクリニックモール「メディカルスクエア初芝駅前」2階で、2025年4月に開院した、ななほしクリニック。標榜科目は、院長の久米川真治先生が担当する、形成外科、皮膚科、美容皮膚科。そして、副院長の久米川 綾先生が担当する婦人科で、ご夫婦での連携を活かしながら、それぞれの持つ高い専門性をクロスオーバーさせる診療スタイルが強みのクリニックだ。

医療カルチャー発信メディア「エムアンド」では、院長の真治先生と、副院長の綾先生をそれぞれ取材させていただいたが、今回はインタビュー記事の第1弾として、真治先生が担当する「形成外科」診療にフォーカス。形成外科といえば、外傷や熱傷など、いわゆる「怪我や傷」の治療を専門的に行う診療科目であるが、クリニックでその他にも注力しているというリンパ浮腫治療や、多汗症・腋臭症(わきが)への対応、粉瘤・脂肪腫の日帰り手術、また、クリニックに新設された「頭のかたち外来」について、幅広く話を聞いてきた。



形成外科医を選択したきっかけ

熱傷や外傷を、見た目もきれいに治したい


ーー真治先生が医師を目指されたきっかけは何だったのですか。


真治先生:最初は整形外科のスポーツドクターになりたかったんです。学生時代はサッカーをしていましたので、怪我をしたとき、学校帰りに整形外科に行くのですが、そこで夜遅くでも診てくれる良い先生がいらっしゃって。怪我って、生死に関わる病気ではないですが、きちんと治療することで、今後の体の動きが良くなったり、生活の質が上がったりする。「命を救う!」みたいな感じというよりは、患者さんの日常生活を守りたいなという思いから医師を目指しました。

ーーそんな真治先生が、形成外科の道に進まれたのは、どういった経緯からですか。

真治先生:研修医になった頃は、整形外科医になって、骨や筋肉など、運動器疾患を診るということよりも、皮膚の表面の傷や熱傷に対して治療を行うことに強い興味を持っていました。そこで、熱傷などの対応がよりアクティブになる診療科と言えば「救急科」ですので、救急ドクターという選択肢もあったのですが、熱傷や外傷を専門に診て、なおかつ見た目もきれいに治したいという思いから、形成外科の道に進みました。

リンパ浮腫患者さんが難民化している現状

様々な診療科で発症するリンパ浮腫を形成外科で受け入れ治療していく


ーー熱傷や外傷の治療はもちろんのこと、クリニックでは「リンパ浮腫」の治療にも注力されていると伺いましたが、リンパ浮腫治療は形成外科の領域になるのですか。


真治先生:いえ、実は、その線引きは難しいんです。看護領域とも言えますし、乳がんの術後のリンパ浮腫は乳腺外科、他にも婦人科や泌尿器科など、診療科を問わずに、様々な診療科で発症する病気が、リンパ浮腫なんです。

ーー「がん治療を受けた後に発症する病気」というイメージがありますが、それ以外でも発症することはあるのでしょうか。

真治先生:基本的にはがん治療後に、リンパ管やリンパ節が損傷してリンパ液が正常に流れなくなることで、手足などにむくみが生じますが、生まれつきリンパ管が未熟であったり、形成不全があり、リンパ液の流れが悪くなる先天性リンパ浮腫の方も中にはいらっしゃいます。前者の場合は特にですが、言葉を選ばずお話すると、悪性腫瘍を治した後の症状なので、その治療に注力される医療機関が少ないことから、難民化されている患者さんが実はたくさんいらっしゃるというのが、正直な現状ですので、当クリニックではそういった方々を1人でも多く受け入れられればという思いです。

ーー治療法としては、圧迫療法が中心となってくるのでしょうか。

真治先生:まずは弾性ストッキングを使用した圧迫療法を行いながら、しっかりと運動もしてもらって、体重コントロールもしていきます。しかし、それでもなかなか改善しない場合や、逆にもっと良くしたいという場合は、手術も検討していくという感じです。

ーーリンパ浮腫を放置しておくと、どんなリスクがありますか。

真治先生:蜂窩織炎といって、皮膚の深部が細菌感染して炎症を起こす病気のリスクが高まります。むくんでいる方は免疫力が下がりがちで、白癬や水虫からも菌は入りますし、蜂窩織炎にかかりやすいんです。

ーー肌の質感にも変化があるそうですね。

真治先生:そうですね、象皮症と言って、皮膚がカチカチになったり、ゴワゴワしてくることもあるので、そうなってくると、微小なリンパ管と静脈をつなぎリンパ液の流れを改善する手術をして、皮膚の硬さをとることをお勧めしますが、そうなる前に、予防も含めて早期治療を開始するのがベストですね。

多汗症や腋臭症(わきが)の治療にも注力

汗をかくことで日常生活に支障に支障をきたし、生活の質を落としているかどうかが基準


ーー脇の多汗症では、どのレベルで汗をかくと多汗症だという基準みたいなものはあるのでしょうか。


真治先生:汗の量の評価は個人差もあるのでなかなか難しく、明確な基準があるわけではないですが、常に着替えを持ち歩かないといけないなど、汗をかくことで日常生活に支障をきたし、生活の質が落ちているようであれば、それはもう多汗症だと言えます。多汗症の治療では、保険診療の場合、エクロックゲル®やラピフォートワイプ®といった外用薬を脇に塗布します。また自費診療では「ミラドライ」を使用して、汗や臭いの元となる汗腺(エクリン腺とアポクリン腺)を熱で破壊する治療も行っています。

ーー腋臭症(わきが)は、どういったタイミングで発症するのでしょうか。

真治先生:腋臭症は、脇の下のアポクリン汗腺から独特の強いにおいを発しますが、多いのはお子さまの二次成長期である小学校高学年頃でしょうか。その後、さらに体が成長する15歳~18歳ぐらいにかけて多くみられます。

ーーお子さんからの訴えがなくても、親御さんが気づいて連れてきてあげる方がいいですね。

真治先生:そうですね、ただ、腋臭症は、多汗症と合併することが多いのですが、例えば10歳ぐらいのときに手術で治療をしたとしても、18歳ぐらいまでの成長期に、またかなりの確率で再発しますので、根本的な治療を望まれる場合は、18歳を超えてから治療を受けていただく方が良いかと思います。

ーー成人以降に発症することはないのでしょうか。

真治先生:ないですね。それまで気がつかなかったということはあるのかもしれませんが、成人以降で発症するということはないと思います。

粉瘤や脂肪腫の日帰り手術にも対応

症状が悪化する前に早めの切除を


ーー粉瘤や脂肪腫の日帰り手術も実施されていますね。


真治先生:粉瘤は、感染すると痛みが生じますが、痛みがなければ特に害はないので取らなくても大丈夫です。ただ、見た目が気になられる方もいらっしゃいますし、放置すればそれだけ化膿する可能性も高まりますから、症状が悪化する前に早めに切除しておくことをお勧めはします。脂肪腫に関しては、脂肪の塊ですので痛みが発生することはないですが、中には悪性の場合もありますので、放置はせずに切除して、採取した組織を病理検査で詳しく調べた方が安心です。

赤ちゃんの「頭の形」が気になる親御さんへ

手術の可能性を除外するために、専門外来を設置


ーー赤ちゃんを対象にした「頭のかたち外来」にもお力を入れられているそうですね。


真治先生:頭の形って、昔であれば外来で診療するということはあまりなかったと思いますが、症例によっては手術しないといけない場合もありますから、その可能性をルールアウト(除外)することを目的に設置した外来です。

ーー頭の形が歪んでいることによって、将来の健康にどういった影響があるのでしょうか。

真治先生:頭蓋縫合早期癒合症(とうがいほうごうそうきゆごうしょう)という、赤ちゃんの頭蓋骨のつなぎ目である「頭蓋縫合」が、通常より早く閉じてしまうことで、頭の形がゆがんだり、脳圧が高まったりする病気があります。これが脳ヘルニアなどにつながったりするため、そうなる可能性があるかどうかを検査します。また、頭の歪みには、ヘルメット治療(頭蓋矯正治療)を行いますが、赤ちゃんの首が座ってから、約1年ぐらいがおおよその矯正期間です。赤ちゃんの頭の形が気になるなと思った時点で、まずは相談していただきたいですね。そこで検査をして、何もなければそれに越したことはないですからね。

ーーそれでは最後に、いろんな診療科が集合した医療モール内で、どういう存在のクリニックにしていきたいですか。

真治先生:このモールは救急科や整形外科、内科、乳腺外科、小児科と、診療科のバラエティーが豊かですが、クリニック同士の関係性も良く、うまく連携が取れているということが、患者さんにとっては何よりのプラスになるのではないかと思います。そんな中で、皮膚のことや外傷のことなら、「とりあえずあそこのクリニックに行けばなんとかなるだろう」と思っていただけるような、患者さんにとって身近な存在になっていければいいなと思っています。

ななほしクリニック

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プロフィール

久米川 真治(くめがわしんじ)

経歴

2015年3月 和歌山県立医科大学医学部 卒業
2015年4月 和歌山県立医科大学付属病院
2017年4月 和歌山県立医科大学形成外科 学内助教
2022年7月 和歌山県立医科大学形成外科 助教
2023年3月 医学博士 取得

資格

日本形成外科学会専門医
臨床研修指導医(厚生労働省)
医学博士リンパ浮腫保険診療医
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター

所属学会

日本形成外科学会
日本フットケア・足病医学会
日本リンパ浮腫治療学会
日本リンパ浮腫学会
日本美容皮膚科学会

私のハマりもの

昆虫にハマっていて、カブトムシなどを子どもと一緒に繁殖させています。3~4年前は600匹ほどいたんですけど、今は100~150匹ぐらいかなぁ。他にはカマキリも育てています。ただ、カマキリは交尾が難しくて卵を産ませるのがなかなかうまくいかないんですよね。カブトムシとクワガタは平行して育ていて、今年もカブトムシのオスとクワガタのオスメスを公園で捕まえてきました。クワガタも増やそうと繁殖を試みるのですが、カブトムシと比べるとちょっと体が弱くて、すぐに死んでしまうんですよね。死んだ昆虫たちは剥製にもしています。ヘラクレスオオカブトも剥製にしているんですよ。


クリニック情報



名称ななほしクリニック
診療科目形成外科・皮膚科・婦人科・美容皮膚科
所在地 〒599-8114 大阪府堺市東区日置荘西町4-35-10 メディカルスクエア初芝駅前203
電話番号072-288-6170
診療時間 ◾️形成外科・皮膚科【予約優先】
9:00~12:00
13:00~16:00(手術のみ)
16:00~19:00(水曜・土曜は除く)

◾️婦人科【完全予約制】
9:30~13:30(火曜・木曜)

◾️美容皮膚科【完全予約制】
9:00~12:00
13:00~16:00
16:00~19:00(水曜・土曜は除く)
休診日 日曜・祝日
URL・オフィシャルサイト
https://nanahoshi-cl.com/
・リンパ浮腫専門サイト
https://nanahoshi-cl.com/lymph/
・まとめサイト
https://nanahoshi-cl.jp/
・インスタグラム
https://www.instagram.com/nanahoshi.cli/

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