医療専門WEBマーケティング|株式会社grits

(取材日:2025年4月4日)

【医療専門WEBマーケティング】
株式会社grits

既存媒体(オールドメディア)からメディアチェンジされて久しく、今や目にしない日はないであろうほど社会に浸透している、インターネット上のWEBサイト。その目的や活用法は多種多様で、それを手掛ける企業は全国に無数に存在する。しかしそれを、1つの業界に特化して制作しているWEB制作会社は、実は意外にそう多くない。ましてやそれが医療業界となると、専門知識が必要な上、厚生労働省が定める「医療広告ガイドライン」という、医療機関が広告を出す際に遵守すべき厳しい広告規制もあることから、安易な制作には高いリスクが伴う領域でもある。

医療カルチャー発信メディア「エムアンド」では今回、医療という高度専門分野に特化して、WEBサイトや動画制作、AIチャットシステム導入等のWEBサービスを展開している、株式会社grits(グリッツ)を取材。規制が厳しい医療業界において、顧客満足度を向上させるために一点集中で研ぎ澄ましてきたという提案力についてや、そこから展開する次なるサービスについて、また、医療業界という同じフィールドで活動する異業種との協業を推進する意義、そして同社が求める人材についてなど、代表取締役の髙原直人氏と、取締役の河澄良浩氏に語っていただいた。

現代の医療における“見えにくいストレス”を解消する

ーー医療業界専門のWEBマーケティング企業である株式会社gritsは、「ITでストレスフリーな医療を」というテーマを掲げていますが、gritsが思い描く「ストレスフリーな医療」とは、どういったイメージでしょうか。


髙原:私たちが考える「ストレスフリー」とは、患者が正確な情報に迅速にたどり着ける状態です。
医療機関の選定に際し、情報が不十分であるがゆえに生じる時間的・心理的なロス・・・これこそが、現代の医療における“見えにくいストレス”だと考えています。自身の体験としても、WEB上で医師やクリニックを探す際、探しづらさや情報の断片性に不便を感じたことがありました。「どの医療機関に、どの専門性があるか」「その情報がどれほど信頼できるか」・・・この精度を高めることは、患者にとって非常に価値のある行為です。gritsでは、その価値を丁寧に設計し、届けることを目的としています。

ーー実績の部分では、800クライアントに対して、制作しているWEBサイト数が1500サイトと、倍近い数字になっている点が興味深いです。1つのクリニックが複数のサイトを発注しているということの表れですよね。


髙原:数字だけを誇るつもりはありませんが、これは「再依頼率の高さ」を象徴していると考えています。私たちの顧客の多くは、非常に合理的で論理的な判断をされる医師の方々です。一度きりの関係ではなく、「任せてよかった」と感じていただけた結果として、複数サイトの制作や他院への紹介につながっているのだと思います。

ーー対象がドクターというハイスペックな存在だけに、モノづくり以外の部分でも求められるものは高そうですね。

髙原:そうですね、ドクターに対する所作や礼儀という部分はもちろんのこと、会社として視座のラインを高く保っていかないといけませんから、そのための企業文化作りや人材教育の大変さというのはありますね。人としてのストレスを先生方に与えず、如何にしてサービス提供ができるかというところは、すごく重要視しています。

医療の構造を理解した上で、先生方の強みと患者ニーズを橋渡しする

ーーgritsが他社と差別化を図る上で、大切にされている部分はどこですか。


髙原:“提案力”です。単なるWEB制作会社ではなく、「医療の構造を理解した上で、先生方の強みと患者ニーズを橋渡しする存在」であること。そのためには、表面的なデザインや機能ではなく、“どう見せれば患者が正しく判断できるか”という視点で設計を進める必要があります。私たちは、ヒアリングから仮説設計、データ分析、導線設計に至るまで、すべてを論理的に組み立てています。「ご本人も気づいていなかった強みを、WEB上でどう可視化するか」。この部分に最も力を注いでいます。

ーーサービス面では、AIチャットシステムの導入など、WEB制作に付随するツールも積極的にバインドされていますが、今後はどういった領域にサービスを広げていきたいですか。

髙原:はい。WEB領域で築いてきた信頼基盤をもとに、次は“人材”という本質的な課題にもアプローチしたいと考えています。多くのクリニックで採用・定着の悩みは共通しており、それが経営や診療の質に影響を及ぼすことも少なくありません。「医師は医療に集中できる状態であるべき」ですので、そのために、私たちが採用やWEBの課題を包括的に担い、より“本業に専念できるクリニック体制”を支える存在でありたいと思っています。

ーー先生方の本業は診療ですものね。


髙原:そうですね、メンタルもフィジカルも脳みそも、その本業にリソースを振れる状況が、先生方にとっては最良だと思いますので、「WEB周りのことや採用関係は全部gritsに任せるよ」と言っていただけるような存在に、今後も引き続きなっていきたいです。

ーー社名の「grits」は、「やり抜く力(grit)」を複数形にして、「やり抜く集団を目指す」という意味が込められた造語だそうですが、医療業界でやり抜く集団であるために、今後gritsをどのように舵取りしていきますか。

髙原:「grit=やり抜く力」に、“集団”としての意志を込めて複数形にしました。つまり、「どこまでもやり抜く集団であること」が私たちのアイデンティティです。現在、会社は9期目を迎え、次の10年を見据えた転換点に差し掛かっています。これからも、「医療機関から最も信頼されるWEBコンサルティング企業」として、進むべき方向を見失わず、丁寧に成果を積み重ねていくつもりです。私自身が“旗を掲げる者”として、先頭に立ち、組織を導いていく責任を強く感じています。

WEB業界以外の知見や見識を深めることも、顧客満足につながっていると実感しています

ーーgritsはWEB業界のみならず、異業種との交流にも積極的だそうですが、その背景にはどういったお考えがありますか。


河澄:当社が提供しているのはWEBサービスですが、WEB以外の業種との協業を進めることで、結果的に、顧客である先生方にとっての付加価値につながるからです。自社サービスでご満足をいただくというのは当然のことで、それ以外のご相談にもお答えができたり、WEB以外のお悩みやストレスを解消する選択肢として、協業先のサービスをご紹介できた方が、より顧客満足度の向上が果たされると考えています。

ーー交流先としては、どういったジャンルの企業がありますか。

河澄:薬局チェーン、クリニックの内装業者、看板や広告会社、開業コンサルや経営コンサル、税理士事務所、医療機器メーカー、クリニックの事務長様など、医院開業や経営に関わる様々な企業の方々です。おかげさまでこういった企業様との接点が生まれることで、gritsのサービスを広く知っていただくきっかけとなっていますし、WEB業界以外の知見や見識を深めることも、顧客満足につながっていると実感しています。

ーーWEB以外のことも含めて、相談窓口を一本化できれば、先生方にとっては手間とストレスの軽減につながりますよね。


河澄:そうですね。あとは、医療業界に長年携わるWEBの専門家からみて、どんなサービスなら先生のニーズにマッチするのかという部分を、客観的に判断してご案内できるというのが、先生方からすると安心感が違うのではないでしょうか。例えばクリニックのご状況によって、フルサービスがマッチする場合もあれば、そうではなくてこの部分とこの部分だけあれば十分という場合もあります。gritsは「専任性」で、顧客ニーズを細かく把握しているからこそ、協業先のサービスから最適なものをご案内できるというのが強みです。

ーートータルソリューション的なポジションでもあるということですね。

河澄:はい、そして、そうあるためにも、顧客との信頼関係を強固なものにする必要はありますし、先生方からしたら会社というよりは各担当者とやりとりをするわけですから、各人の能力を高めて市場価値を上げ、モノづくりのクオリティも上げていく、という意味でも、異業種協業で得られるものは大きいです。「ヒト」と「モノ」というところには、とことんこだわっていきたいですね。

ーー協業先の企業も、gritsを介してクライアントの満足度が上がれば、両社にとってプラスですよね。

河澄:そうですね、あとは、協業先の企業様にも、WEBの市場はどんどんアップデートしているということを知っていただきたいです。例えばホームページって、あるかないかだけで判断されがちですが、ホームページにもいろいろあって、gritsが提案しているような「集患型」というものがあるんだよっていうことも、もっと多くの医療関係者に知ってもらいたいという思いが強いです。そのための啓蒙活動も必要だと思っていますし、あくまで顧客ファーストですから、お客様の満足度を上げるためにも、いろんな企業と協業して、gritsのサービスを知っていただきたいですね。

“市場価値の高い能力”が体系的に身につきます

ーー新卒・中途の採用活動も積極的に展開されていますが、gritsが求める人材像は?


髙原:本質的に求めているのは、非常にシンプルです。「素直で、成長意欲の高い方」。この2点に尽きます。
医療業界は専門性が高く、習得すべき知識やスタンスも一般業界とは異なります。だからこそ、経験よりも“学び続けられる姿勢”を重視しています。新卒・第二新卒の方には、“社会人としてのスタート地点で、正しい土台をつくれる場所”でありたいと思っていますし、中途採用では、自分のキャリアに一本筋を通したいと考える方に最適な環境だと自負しています。成果だけを求めるのではなく、“なぜそれをやるのか”という思考力を持ち合わせた人と、一緒に働きたいと思っています。

ーーgritsに入社することで身に付くスキルには、どういったものがありますか。

髙原:まず、クライアントと一対一で向き合い、提案から納品・運用までを専任で担うため、非常に多角的なビジネススキルが求められます。そのぶん、提案力・対話力・課題解決力といった、いわゆる“市場価値の高い能力”が体系的に身につきます。

ーー社内のみならず、外部講師を招いてのスキルアップ研修も実施されているそうですね。


髙原:社内外の研修制度や、外部講師による定期的なセッションも設けており、常に視座を高く保てるよう設計しています。某メガベンチャーの支店長や、某有名企業の最年少営業部長、医療業界で長年成果を出し続けてきた起業家など、不定期ですが様々な方を招いて実施しています。短期的なテクニックではなく、「どの業界でも通用する土台」を築くという点において、gritsは最適なフィールドです。

ーーそれでは最後に、就職活動中の求職者に向けてメッセージをお願いします。

髙原:もしこの文章を読んで「少し気になる」と感じてくださったのであれば、それはすでに良いきっかけだと思います。私たちは、完成された人材を求めているわけではありません。むしろ、これから一緒に成長していける方と、対等な関係性を築いていきたいと思っています。ぜひ一度、お話しましょう。言葉にすることで見える“相性”がありますから。あなた自身の可能性に、私たちの環境が貢献できるかどうか、一緒に確かめていきましょう。

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私のハマりもの

ChatGPTは、仕事でもプライベートでも日常的に活用しています。いわば「思考の壁打ち相手」としての存在です。社内資料の草案作成、顧客向け提案の精度向上、経営判断の整理に至るまで、ChatGPTと対話することで頭の中を構造化しています。私は有料版を利用していますが、コストパフォーマンスは非常に高いと感じています。また、子どものスマートフォンに無料版を入れてあげており、「調べ物はまずAIで考える」という習慣を育てています。今後、検索という行為の入口が変わるのは確実です。その変化に、事業としてどう応えるか、どんな価値を設計するか・・・そうした視点でもAIは重要な思考パートナーです(髙原直人)。

会社情報


名称株式会社grits
所在地 ■大阪本社
〒550-0013 大阪府大阪市西区新町1-3-12 四ツ橋セントラルビル9F
TEL:06-4393-8493
FAX:06-4393-8494

■福岡支店
〒812-0013 福岡県福岡市博多区博多駅東1丁目9-11 大成博多駅東ビル7F
TEL:092-292-7884
FAX:092-292-7885
設立2017年4月
資本金10,000,000円
役員代表取締役:髙原直人
取締役:河澄良浩
取締役:坂本直也
事業内容 WEBコンサルティング事業
デジタルコンテンツ企画・制作
広告代理店事業
リスティング広告運用
URL・オフィシャルサイト
https://grits.co.jp/
・Medical grits
https://medical-grits.jp/
・採用サイト
https://recruit-grits.jp/

大阪本社アクセス

【最寄駅】
大阪メトロ四ツ橋線:四ツ橋駅「1-A」出入口徒歩1分
大阪メトロ御堂筋線:心斎橋駅徒歩5分

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【最寄】
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