豊中市の整形外科「三山整形外科リウマチクリニック」

(取材日:2025年7月18日)

【大阪府豊中市】整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科 
三山整形外科リウマチクリニック 院長:三山 彬 先生 


大阪府豊中市の「栗本整形外科」を継承し、2025年4月に開院した「三山整形外科リウマチクリニック」。院長は、「大阪刀根山医療センター」で整形外科医長を務めた三山 彬先生だが、今回の取材で、三山先生の診療理念を伺った際に印象的だったのは、患者さんの訴えを「傾聴する」という表現が用いられたことだった。

単に話を「聞く」のではなく、相手の表情や仕草からも、感情や意図を深く理解しようとする能動的なコミュニケーションが、「傾聴」だ。患者を洞察し、その訴えから必要な情報をすくい上げ、痛みや症状の背景を知り、深く考察・分析するという三山先生の診療スタイルを形成するための「起点」として、これほどしっくりくる言葉は他にないだろう。

医療カルチャー発信メディア「エムアンド」では、そんな三山先生に、臨床の現場のみならず、関節リウマチや、骨粗しょう症に関する研究を重ねてきた理由など、幅広く話を聞いたが、その言葉の端々からも「傾聴」する姿勢を大切にしていることが伺える、なんとも印象的な取材となった。



医師を目指したきっかけ/整形外科の魅力

日々進化していく医療に無限の可能性を感じた


ーー三山先生が医師を目指したきっかけから聞かせていただけますか。


三山先生:父が歯科医院を開業していたのですが、幼い頃から、治療した患者さんが笑顔で満足して帰ってくれたという話や、「ありがとう」と感謝してもらえる、やりがいのある仕事だということをよく聞かされていたということもあり、医者か歯医者になりたいなというのは、漠然と思っていたんです。

ーー結果的に、歯科医師ではなく、医師を選ばれたのはどうしてだったのですか。

三山先生:小学4年生のときに虫垂炎を患い、緊急手術を受けたのですが、治療後に症状が楽になったとき、「あんなに痛かったのに手術をしたら嘘のように良くなった!」と子供ながらに医療の素晴らしさを実感し、医師に憧れを持つようになりました。そうした中で日々進化していく医療に無限の可能性を感じ、子供時代の自分の経験からも「人の命を救える立場になりたい」と気づいたら医師を目指していましたね。

ーー様々な診療科目がある中で、整形外科のどういったところに魅力を感じましたか。

三山先生:研修医のときに初めて回ったのが麻酔科だったんです。麻酔科は手術に携わるのですが、整形外科の手術を見て、自分に向いていると思いました。整形外科は骨の大工さんと言われることもあるほど、職人的な部分があり、手先の器用さには自信があったので整形外科に魅力を感じました。実際、整形外科医師として働くと、歩くのが困難だった人が歩いて帰るのを見て、やりがいを感じました。

大学院での研究を通して身につけたもの

自分自身のレベルやスキルを上げて臨床の現場に還元していきたかった


ーー大阪大学大学院では、具体的にどういった研究をされていたのでしょうか。


三山先生:ステロイド性骨粗しょう症という病気はご存じでしょうか?ステロイドは皆さんも耳馴染みのあるお薬だと思うのですが、実は副作用として、骨を作る細胞(骨芽細胞)の働きを弱め、逆に骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きを促し骨密度を低下させるのです。私が研究をしていたのは、ステロイド性骨粗しょう症という病気に対して、関節リウマチの治療で用いられる抗炎症薬が有効かどうかの研究でした。

ーー研究の結果、それは有効だったのでしょうか。

三山先生:それがですね、インビトロという人工的な環境下での顕微鏡実験では、骨を壊す破骨細胞に薬を入れると働きがすごく抑制されました。しかし、インビボという生体実験では、マウスを使用してステロイド性骨粗しょう症のモデルを作り、薬を投与したのですが、私が実験した限りでは、良い結果にはなりませんでした。私は、インビトロの方で、ステロイドによって活性化した破骨細胞を薬が抑制するということがわかったので、そちらで論文を書きました。研究は一筋縄にはいかず失敗失敗の日々で正直へこたれそうになりました。なぜ、インビトロでは上手くいったのにインビボの生体実験では思うようにならなかったのかなど、まだまだ医学には未解明の領域が沢山あり、ますます医療の無限の可能性を身をもって感じました。

ーー三山先生は、そういった研究をされながらも、とはいえ研究だけに没頭するというよりも、常に臨床の現場で患者さんを診て来られていますよね。

三山先生:そうですね、やはり臨床現場で患者さんと直に接して話を聞くという事が私自身1番やりがいを感じますね。そこは医師になってから1度もぶれた事はないです。大学院に行きたいと思ったのも、自分自身のレベルやスキルを上げて臨床の現場に還元していきたいと思ったからなんです。患者さんの体の中で一体何が起こっているのか、それを考察したり、病態を考える力が大学院での研究を通してグンと身につきました。また、研究を通して医療の可能性を身近に感じたことで、最新の医療の提供の必要性、それに伴う自己研鑽の大切さを再確認しました。

豊中市で整形外科クリニックを開業

患者さんの訴えや、症状についてのお話をしっかりと聞いて、的確な診断につなげていく


ーーこちらの場所は、以前は「栗本整形外科」でしたが、継承開業されたご理由は?


三山先生:私は、以前は豊中市に住んでいましたし、開業する直前は、大阪刀根山医療センターで整形外科医長として診療をしていました。また、千里中央の関西メディカル病院、上野や岡町、庄内など豊中市内のクリニックでの勤務経験もありましたので、豊中という土地には親しみがあり、またご縁もあって継承させていただき開業するという運びになりました。

ーー三山先生が患者さんと向き合う上で、大切にされていることはありますか。

三山先生:一番大切にしていることは、「傾聴する」ということです。患者さんの訴えや、症状についてのお話をしっかりと聞いて、的確な診断につなげていく、ということを常に意識しています。

ーー主訴がはっきりしている患者さんもいらっしゃれば、先生にどう伝えていいかわからないという患者さんもいらっしゃるのではないかと思います。

三山先生:整形外科の場合、痛みの場所に関しては、はっきりしていることが多いのですが、どういうときに痛いのか、動かすと痛むのか、じっとしていても痛いのかで診断は変わってきます。また、いつ、どこで、どんな経緯で、どんな力が加わったのかという、受傷機転に関することをかなり細かくお聞きします。そうすると、例えばですが、「2日前に万博に行って、歩きすぎた」などといった、痛みの背景を知ることができるんです。

ーープロセスを把握することで、診断の精度が上がっていくというわけですね。

三山先生:そうですね、どういった病態で、どんな理由で、なぜ痛いんだろう?っていうことをしっかりと考察して、診断をしていく・・・患者さんの様々な訴えがあり、それは1人1人全く違いますから、そこに向き合っていくことに、楽しさを感じると言うと語弊があるかもしれませんが、自分としてはやりがいを感じる部分ですね。

骨粗しょう症による圧迫骨折を起こさないために

まずはご自身の骨の状態を知ることが大切


ーー一般整形では、どんなお悩みで受診される方が多いでしょうか。


三山先生:やはり腰痛でお悩みの患者さんが一番多いですね。年代的には、高齢の方が比較的多いと思います。慢性的な痛みに対しての処置、注射やお薬の処方などを行います。その他にも、リハビリテーションで患者さんの体の機能を上げ、健康を維持できるような体作りをサポートするという感じです。

ーークリニックでは、全身型の骨密度測定装置も導入されていますが、骨粗しょう症は自覚症状がないと言われているだけに、患者側からすると相談のタイミングに悩みそうです。

三山先生:そうですよね、まずはご自身の骨の状態を知るということが非常に大切ですので、初診の患者さんには特に、骨密度検査をご案内しています。骨粗しょう症になってしまうと、骨折される方も多くなりますし、骨折が原因で体の機能が低下し、結果的に健康寿命が短くなるということにもつながってしまいますからね。

ーー圧迫骨折を起こして初めて、骨粗しょう症だと気が付くケースもありますか。

三山先生:どちらかというと、もっと手前で骨密度検査を実施して、骨密度を高めるための治療を開始される方の方が多いですね。骨折してしまってからでは本当に遅いので、骨粗しょう症による最初の圧迫骨折を起こさないために、定期的に骨密度を調べて、低下している場合は早期に治療をしていくということが大事だと考えます。

関節リウマチを疑うべきサインとは

関節が変形することなく、より良い生活を送っていただくことが、私たち整形外科医の責務


ーー関節リウマチに関して、何か病気のサインのようなものはありますか。


三山先生:特に手指の関節の痛みや腫れ、こわばりが出てきた場合は、関節リウマチを疑うべきかと思います。

ーー関節の痛みは、日常生活の中でわりと身近に起こるものなので、見逃しがちではないでしょうか。

三山先生:そうですね、例えば更年期障害でも指のこだわりや痛みが出ますし、指の変形性関節症などである場合もありますから、他の病気との鑑別は必要にはなりますが、関節の腫脹や疼痛が出てきた場合は、まずその原因をしっかり見極めることが重要です。

ーー骨粗しょう症や関節リウマチに関する研究をされてきた三山先生が診療にあたってくれるというのは、患者さんにとっては大きな安心材料ですね。

三山先生:関節リウマチは、関節の中で炎症が起きて、骨が削られていくという特徴があります。関節炎を放置して削られた骨は修復しないので、進行すると関節がどんどん変形してしまうのです。そうなる前に早期に診断し、関節が変形することなく、より良い生活を送っていただくことが、私たち整形外科医の責務だと考えています。

スポーツ整形外科/急性期の外傷から、慢性的なスポーツ障害まで

診療+リハビリテーションで、患者さんの体をトータルケアしていく


ーー明るくて広々としたリハビリテーションルームが印象的ですね。


三山先生:リハビリ機器を豊富に取り揃えていますし、理学療法士によるオーダーメイドなリハビリメニューを提供しています。痛みのコントロールを行いながら、診療+リハビリテーションで、患者さんの体をトータルケアしていくという感じです。

ーーそれでは最後に、エムアンドをご覧の読者にメッセージをお願いします。

三山先生:繰り返しになりますが、まず患者さんの話をしっかりと「傾聴」し、患者さんの困っている症状の原因について、正確に分析し、総合的な診断を実施していく方針です。患者さん1人1人に合った最適な治療を行っていきたいと考えていますので、骨や関節、筋肉や神経といった運動器に関するお悩みや、スポーツによるケガや障害などでお困りの方は、気軽に当院にご相談いただければと思います。

三山整形外科リウマチクリニック

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プロフィール

三山 彬(みやまあきら)

学歴

2003年 高槻高等学校 卒業
2010年 大阪市立大学(現 大阪公立大学)医学部医学科 卒業
2021年 大阪大学大学院医学系研究科 博士課程修了

経歴

2011年 市立伊丹病院
2014年 国立病院機構 大阪南医療センター
2015年 大阪府立病院機構 大阪母子医療センター
2016年 ベルランド総合病院 整形外科副医長
2017年~2021年 大阪大学医学部付属病院 大阪大学大学院医学系研究科整形外科
2018年~2021年 住友病院 整形外科外来 非常勤勤務
2018年~2024年 関西メディカル病院 整形外科外来 非常勤勤務
2021年~2025年 国立病院機構 大阪刀根山医療センター 整形外科医長
2025年4月 三山整形外科リウマチクリニック 開院

所属学会

日本整形外科学会
日本リウマチ学会
日本骨粗鬆症学会
日本足の外科学会

資格

医学博士(大阪大学)
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本リウマチ学会 リウマチ専門医
日本骨粗鬆症学会 骨粗鬆症認定医
日本整形外科学会認定 リハビリテーション医
日本整形外科学会認定 リウマチ医
ロコモアドバイスドクター
大阪府立豊中支援学校 整形外科医師講師

受賞歴

The 20th Asia Pacific League of Associations for Rheumatology Congress (アジア太平洋リウマチ学会2018) Travel Award

The 7th Seoul Symposium On Bone Health (SSBH 2019)Travel Grant

私のハマりもの

テニスにはまっています。大学時代はソフトテニスをしていたのですが、今は硬式テニスをしています。豊中市医師会のテニス会にも参加しています。最初はボールの感覚に慣れずに苦労しました。医師会では皆さんレベルが高いです。

クリニック情報



名称医療法人彩仁会 三山整形外科リウマチクリニック
診療科目整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科
所在地〒561-0864 大阪府豊中市夕日丘1丁目1番5号 阪急オアシス 夕日丘店2階
電話番号06-6846-2567
診療時間 9:00~12:00
16:30~19:00
休診日 水曜午後・土曜午後・日曜・祝日
URL・オフィシャルサイト
https://miyama-seikei.com/
・インスタグラム
https://www.instagram.com/miyama_seikeigeka

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